(1)主として最近15年間の教員養成政策の動向についての分析と考察をした。教員養成政策は、新課程設置、あるいは教員養成大学・学部間の統廃合問題、教員養成GP、ひいては専門職大学院構想など、めまぐるしく展開してきたが、これはどのように整理して捉えるべきか、今後のあり方を考える上で、大切な問題である。これをまずマクロな政策レベルで分析した。(2)もうひとつの政策レベルの問題は、教員免許法改正である。この整理をした。(3)それから、少中高における教員評価の導入と、各都道府県における不適格教員排除の動向もふまえた。 以上の動向をふまえて、(5)教員養成大学のカリキュラム改革と実践の展開について調査した。教育政策は、専門職大学院問題をはじめ、実践的資質形成の観点から、新たな教員養成のあり方を要請しているが、そのカリキュラムについては、いまなお未成熟な研究段階にある。まずは、各教員養成大学で開発されてきたカリキュラムについて収拾した。 政策の動きが急で、各大学は、ひとつのカリキュラムが落ち着かないままに、次の制度改革とカリキュラム改革が迫られている状況にあるが、そのなかでも各大学はそれぞれの実態に即してカリキュラム改革と実践を積み重ねてきているので、それらの実践的模索と試行錯誤について聞き取りなどによる実態調査をした。 今後とも、全国の教員養成大学のカリキュラム改革について、資料収集と聞き取り調査を重ねていく計画である。
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