研究課題に対し、(1)保育者のカリキュラム理解に関する研究、(2)幼児期の発達と「遊び」の中の「学び」に関する研究、(3)保育者の専門性向上のための教育のあり方に関する研究、を中心として研究を継続、推進した。 (1)については、前年までに実施した秋田県内全幼稚園の保育者を対象とする調査により把握した、保育者のカリキュラム理解の実情と課題の背景を明らかにするために、幼稚園のカリキュラムの分析を行い、次年度も継続して実施する。 (2)の研究では、研究者2名がそれぞれに3年保育児の保育場面の縦断的観察・記録を実施し、3年課程の幼児の発達過程を、遊びを中心とする生活の中での「学び」の観点で分析している。これらの研究は大学附属幼稚園との連携で推進し、幼稚園における園内研修会ならびに公開研究会において成果を提供したほか、外部講師と共にパネルディスカッションによる研究会を実施し、その記録を研究誌にて公表した。 (3)では、前年度に引き続き保育者のカリキュラム理解の基盤を明らかにするために、遊びを中心とする保育を理解し保育実践を重ねてきたと考えられるベテラン保育者の意識の分析を聞き取りによってとらえた。保育者のカリキュラム理解と、「遊び」理解がどのような要因によって実現されるのかを明らかにすることを目的とし、保育者の保育に対する意識の背景を探り、保育の課題を意識化するために必要な、保育者のライフステージに即した課題を明らかにした。19年度発行の紀要にて報告した。 18年度、19年度の2年間の研究成果を、中間報告として『秋田乳幼児研究会報』第1号(2008年2月5日発行)にて発表した。
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