今年度は前年度に引き続いて、日米における教員養成カリキュラムの開発の実態とその普及に関する資料調査を内外において実施した。特に、アメリカ合衆国シカゴ大学においては、同大学のカリキュラムおよび教員養成をめぐる議論に関する文献調査を実施した。また、占領期に成立した大学における教員養成カリキュラムの開発に関する以下の資料調査を実施した。 (1)GHQ民間情報教育局による教師教育政策の方針とアメリカの教師教育カリキュラムの紹介 (2)民間情報教育局(CIE)と文部省との交渉過程 (3)各教員養成機関に対する民間情報教育局(CIE)の指導の実態 (4)各教員養成機関における4年制教員養成カリキュラム開発の実態 (1)〜(3)の事項に関する先行研究および史料の収集のために、国立国会図書館憲政資料室においてSCAPレコード(連合国軍総司令部占領関係文書)、国立教育政策研究所附属図書館においてトレーナー文書の調査を行った。加えて、戦後の教師教育改革に直接携わった旧師範学校および大学教員のうち、ご存命の方に対して以下の事項に関する経験について聞き取り調査を本格的に実施した。音声記録はテープ起こしを行い、文字資料として保存した。 1.IFELに参加した経験とその体験のその後への影響 2.所属の機関における教員養成カリキュラムの編成 3.所属の機関における教育体制と学生の反応 4.新しく編成した4年制カリキュラムに対する評価
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