本研究では、アメリカの教員養成における「統合」の理念がそのカリキュラムに具現化されたことにより、「教職的実験的経験」を核とするカリキュラムが全米に普及していく過程を解明した。同時に、占領期に成立した大学の教員養成カリキュラムの開発に関する資料調査に基づき、占領期の日本にアメリカの教員養成カリキュラムを紹介し、それを普及させていったGHQ民間教育情報局の方針、および文部省や各師範学校の交渉の実態を明らかにした。さらに、1950年代の新制度の定着期においてカリキュラムの定型化が始まったことを指摘した。
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