1.「確かな学力」に関する国内の資料を参照し確認した。特に、文科省のホームページ、教育関係雑誌「教職読本シリーズ」(教育開発研究所)、「授業研究」<明治図書>などにおける本テーマの論考を収集参照し、この概念に関する時系列および定義域の変化について確認整理した。 2.学習意欲の理論について国内外における心理学、教育学、行動科学、生理学などの論文や論考をERIC<アメリカの教育関係論文検索システム>などを使って幅広く渉猟し、その中から時系列で整理してその最新の理論を参照し、わが国の学校教育に適用可能な理論の再構築にあたった。 3.本研究による調査データの検証モデルとして「質量評価モデル」を数年前に提案しているが、この問題点について再確認したのち、「修整質量評価モデル」として新たに構築しなおした。この場合、昨年12月にチリで行われた学会で発表された論文内容がヒントとなった。そのポイントは、生徒一人ひとりの学習環境(家庭外、家庭内、学校内の3側面から)について質的評価を下したうえで、学習結果については量的評価を主に「学力の確かさ」を評価する方向である。 4.来年度からこの計画に基づいて現地調査をする予定であり、そのために近在の小中校に本研究計画を示して受け入れの打診を行った。概ね、引き受け可能の回答が得られたので、その計画と実施を具体化するための行動テーブルを作成中である。特に質的評価法に独自性を持たせるための精緻化に現在取り組んでいる最中である。
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