文部科学省の「学力向上」指定校は福井県内外に数多く存在するが、文部科学省の指定した学校における「21世紀型学力」が豊かに創造されることが強く望まれている現状である。文部科学省は基礎・基本の学力とその上に立つ応用の学力の2段階というとらえ方をしているようであるが、基礎・基本の学力とその応用である問題解決能力やコミュニケーション能力は別物ではなく、相互に深く関連している。今年度調査した長野県伊那小学校、奈良女子大附属小、お茶の水女子大附属小などは、総合学習において先進的な学校であり、表現力・問題解決能力など総合的な学力を構築する努力をしている。同時に教科の学習ともリンクする子との重要性も強調している。OECDのPISA調査で示された学力も同じ学力を構想している。PISA調査では、数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシー、問題解決能力の4つの評価分野を設定しており、これらの学力の定義とその実現はこれからの学校の共通した課題である。 教科学習においては、教科の知識を教授するだけではなく、教科の単元というある程度のまとまりの中で、探究-表現型の授業を組む必要があり、また総合的な学習においても、探究-表現型の授業を構想し実践する必要がある。教科学習であれ、総合的な学習であれ、子ども達が自ら学び自ら考える場面を数多く設定する必要かある。そのためには、限られた授業時間をどのように再構成するのかという課題も同時に解決していく必要がある。探究-表現型の授業とそのための単元のカリキュラム構成を新たに構築していく必要がある。今後も全国の実践から学びながら、21世紀型学力を考えていきたい。
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