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平成19年度は、地域教育の文献史料調査とアンケート調査を行った。以下にそれぞれの概要を述べる。
まず、地域教育の文献史料調査については、研究代表者である三上和夫が、長野県の長野県立図書館収蔵の『信濃毎日新聞』と上田市立図書館収蔵の『北信毎日新聞』の昭和初期から戦後期にかけての記事を閲覧し収集した。そして、国民学校令の地域での施行状況などを検証した。その結果、教育行政作用が地域社会において、様々な社会力学によって複雑かつ多様に変化し、対象地域固有の教育に関わる社会関係を成立させていたことが明らかになった。現在、こうした教育行政に関わる多様な社会関係を「様相」として把握しようと試みている。同様に、大正から昭和初期にかけての高知県高知市における人口動態調査と学校配置状況を『高知県統計書』等の統計書、『土陽新聞』や『高知新聞』などの新聞記事から検証しつつある。
今回の調査のもう一つの要である、アンケート調査については、研究分担者である末冨芳が大学生とその保護者を対象に行った。この調査では、就学するに際して家計から支出した教育費と、進学にあっての地域移動のついての経緯に焦点を当てた。さらに、家計教育費と就学にあたっての地域移動について、親子間で表出された意図と意思決定の在り方を検証する調査票を配布した。学生の場合は記入後に回収し、保護者の場合は記入後に郵送してもらうことで回収した。現在、鋭意分析中である。
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