研究課題/領域番号 |
18530616
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
折田 悦郎 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (10177305)
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研究分担者 |
新谷 恭明 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (10154402)
有馬 學 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80108612)
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キーワード | 日本史 / 学徒出陣 / 九州帝国大学 / 九州大学 / 大学史 |
研究概要 |
昨年度(平成18年)は、九州大学内外における資料調査を行い、先ず基本となる応召者の名前や人数等の確認作業を行った。その結果、九州大学大学文書館等の調査を通じて、多くの学徒の確認をすることができた。 本年度(平成19年)は、これらの成果にもとづき、より細かな調査と研究を行ったが、先ず、資料の収集においては、九州大学出身者で「学徒出陣」を経験された方々の聞き取り調査を行うことができた。平均年齢80余歳の人々の生々しい「証言」は、今となってはそのもの自体が大変貴重な資料であり、本年度刊行の『成果報告書』に収録した。また、同じく『成果報告書』には、「九州帝国大学新聞」の学徒出陣・学徒動員関係記事と、「西日本新聞」の関係記事をまとめたものも収録した。 次に研究活動では、研究代表者の折田悦郎「九州帝国大学における学徒出陣について」(本報告書所収。以下同)が、収集データをもとにした表やグラフも使用して九州帝国大学時代の「学徒出陣」について論じ、研究協力者の藤岡健太郎「学校報国隊の編成と活動-政策決定過程と九州帝国大学の事例に関する研究-」は、従来十分な検討がなされていなかった「学校報国隊」について、九州帝国大学の事例に即して実証的な考察を加えた。また、佐木本愛「帝国大学における軍事教練-九州帝国大学を事例として-」は、学徒出陣の前史として学生と軍事とを直接結び付けていた教練に着目し、九州帝国大学での軍事教練について明らかにした。これらの論文は従来殆ど指摘されてこなかった論点に焦点を当てた専論である。
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