(1)資料の分類・整理現在 申請者の研究室に帰宅されている恵愛学園関係資料を整理、分類し、細目録を作成する基礎作業を、年間を通じて実施した。進捗状況は順調で、今年度の予定通り、寄託資料全体の半分以上の資料については、目録カードへの登録が終了した。その際、特に戦災孤児に直接関係する資料については、「備考」覧にその旨の記載をするように心がけた。 (2)資料調査 6月に沖縄、11月に長野に資料調査に出張した。 前者では、地上戦であった沖縄戦に関連した「戦災孤児」の研究がないことから、県立図書館および県立公文書館で当時の雑誌や参考文献などから、関係資料の調査・収集を実施した。公文書には「戦災孤児」関係のまとまった資料群は見出せなかったが、部分的に記載のある文献については、随時収集した。 後者は、恵愛学園関係資料を、1940年代後半の新聞資料で検索し調査することを目的に、県立図書館で調査を行った。ただ、準備された検索システムでは大まかな新聞項目しか拾えず、時間をかけた割には充分には成果があがらなかった。 (3)インタビュー調査 11月に、開設直後から恵愛学園にかかわっていた宮本了吾氏(第4代園長)に聞き取り調査を実施した。当時の学園の実態、戦災孤児の子どもの様子、寮母や指導員のかかわり方など、当時の学園につき有益な証言を得た。また、インタビューの可能性のある関係者の紹介も受けることが出来た。
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