研究概要 |
研究実績の概要 協力幼稚園とインターナショナル・プレスクールにおいて4、5歳児のリテラシー活動場面を観察し、ビデオ収録を行った。また4,5歳児の描画の作品を収集したところ、5歳児はほとんどすべてが自分の名前を平仮名で書いていることがわかった。 6月初旬に小学校1年生の「国語」の授業を参観し、ビデオ収録をさせてもらった。この授業の分析はまだ完了していないが、幼稚園でのリテラシー学習と連結していない印象をもった。例えば、教科書の「のばすおと」について学習しているとき、子どもたちの中からでてきた「のばすおと」をふくむ言葉の例は、「さあかす」「ばたあ」「ちいず」「びいず」「ぼうりんぐ」等で、これらは日常生活では「カタカナ」で表されている。これらをあえて平仮名で表記するところに幼児たちがすでに慣れ親しんでいるリテラシー環境との不連続を感じた。 ヘルシンキ大学を訪問し、幼児リテラシー教育専門のMarja Numilaakso助教授と研究交流をして最も印象に残ったことは、フィンランドでは、保育所の5、6歳児のためのリテラシー教材・教具が豊富であること、幼児期のリテラシー学習ではlinguistic awarenessが大切であり、話すspeaking,聴くlistening,読むreading,書くwriting,を同時に習得させるように援助する教育方法をとっているということであった。 5月には、繰越予算でヘルシンキ大学幼児初等教育学科長のMikko Ojala教授を招へいし、芦屋市の協力幼稚園を参観し、同市の小学校1年生の「算数」の授業を参観してその後、研究協議を行った。オヤラ教授とは、今後、5,6歳児を対象にして、リテラシーと算数、自然環境教育について協同研究を進める企画を作り上げた。
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