1英国マンチェスターを拠点とする演劇教育活動調査 英国北西部の演劇拠点であるマンチェスターにうる下記の劇場について、演劇教育活動の実態調査を行った。 1)Royal Exchange Theatre Royal Exchange Theatreは市の中心地にある円形劇場。客席数約700の「ザ・シアター(The Theatre)」と小スペース「ザ・スタジオ(The Studio)」のふたつのホールを備えた中規模の劇場である。1976年創設以来、古典劇・現代劇をレパートリーシステムで上演し、安定した人気を誇る。教育活動を専門とするEducation Departmentが、学校向け、個人向け、民族グループや障害者向けにさまざまなプログラムを行っている。Departmentの責任者Amanda Dalton氏にインタビューし、実情と展望を聞く。 2) Library Theatre マンチェスター市が運営するイングランド唯一の市営劇場。市営であるため、「劇場が公的機関としていかに地域に貢献できるか」を追及しながら活動している。小学校を中心とする若年層に焦点を当てた教育活動についてCommunity and Educational DirectorのLiz Postlethwaite氏にインタビューを行い、小学校でのワークショップに参加した。英国の教育システムの中でにおける劇場の役割と可能性について聞く。 なおこの調査結果については、道行が日本演劇学会全国大会(2009年6月、大阪市立大学)にて「英国における劇場のアウトリーチ活動」というタイトルで口頭発表する予定である。 2国内の公立劇場の演劇教育活動調査 国内の公立劇場については、調布市立せんがわ劇場に対し、2度の実地調査を行った。また世田谷パブリックシアターの旧スタッフには数度にわたるインタヴューを行っている。しかし他の劇場については印刷物やホームページを材料とする網羅的情報収集にとどまった。今後継続的に調査を行うつもりである。 3福岡の劇団の活動史研究 平成20年度交付申請書でも述べたとおり、研究協力者・安永行政(九州大学大学院芸術工学府・後期博士課程)の協力を得、昭和後期以降の劇団の活動史についてはほぼ調査を終了した。その成果は、やはり前述の日本演劇学会全国大会にて「地方中枢都市における地域演劇文化の系譜」というタイトルで口頭発表する予定である。
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