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2007 年度 実績報告書

英国における高等教育修了女性のキャリア形成に関する歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530639
研究機関西九州大学

研究代表者

香川 せつ子  西九州大学, 健康福祉学部, 教授 (00185711)

キーワード教育史 / イギリス / ジェンダー / キャリア形成 / 高等教育 / 女子学生
研究概要

前年度に引き続き大学卒業者のキャリアを検討するために,ケンブリジ大学のガートン、カレッジとニューナム、カレッジのアーカイブズ,及び同大学図書館で文献調査を実施した。
19世紀末から20世紀にかけてイギリスの大学における女子学生数は急増し,1930年にはイギリスの大学生全体の4人に1人が女性であった。その主たる要因は市民大学の増設とそこにおける女子学生数の増加であり,オックスブリッジの女子学生は少数エリートに属する。本研究では,オックスブリッジと市民大学の女子学生の祉会的出自や入学時の年齢等を比較し,卒業生のキャリアの相違に留意しつつも,主たる考察の対象をケンブリッジ大学ガートン、カレッジの卒業生に絞った。同カレッジの卒業後のキャリアに関する情報を得るうえで重要な資料は,1948年に編纂された同窓会名簿である。そこで,この名簿の記載内容を詳細に検討し,1880年から1910年まで十年ごとの入学者について,入学前の学習歴,父親の職業,卒業後の就業状況,社会的活動,および結婚の有無などを整理し分析した。その結果,(1)初期の卒業性にとって職業と結婚とは二者択一の関係にあり,1900年に両者がほぼ同数となるまで後者の数が前者を上回った,(2)職業の大半は教職であり,1910年まで卒業生の半数以上,就業者の4人に3人までが教職に就いた。しかし教職の中でのキャリア形成の様相は年代とともに変化している,(3)教職以外では,有職無職様々な形をとりながらアカデミズムの世界で生きた女性,卒業後に医学校等に進学し医師となった女性,結婚後ボランティアなど社会活動で活躍した女性が目立つこと,また比較的多くの者が海外居住経験をもっているなど,同カレッジ卒業生のキャリアの傾向や特徴を指摘した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 世紀転換期イギリスにおける大学卒女性のキャリアーケンブリッジ大学ガートン・カレッジの場合2007

    • 著者名/発表者名
      香川 せつ子
    • 学会等名
      第59回大学史研究セミナー
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2007-12-16
  • [学会発表] 世紀転換期イギリスにおける大学卒女性のキャリアーケンブリッジ大学を中心にして2007

    • 著者名/発表者名
      香川 せつ子
    • 学会等名
      九州教育学会第59回大会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2007-11-24
  • [図書] 女性と高等教育-機会拡張と社会的相克2008

    • 著者名/発表者名
      香川 せっ子・河村 貞枝(共編著)
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      昭和堂

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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