研究課題/領域番号 |
18530646
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 鉱市 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40260509)
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研究分担者 |
村沢 昌崇 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (00284224)
杉谷 祐美子 青山学院大学, 文学部, 准教授 (70308154)
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キーワード | 高等教育政策 / 政策過程論 / 計量テキスト分析 / 専門職養成 / 私立学校助成 |
研究概要 |
本研究の目的は、戦後改革期から現代に至るわが国の高等教育政策について、(1)政策形成・決定プロセスに着目した「政策過程論」、ならびに(2)データを利用した数量的な分析という、定性的・定量的な方法論を組み合わせて援用することによって、その形成・決定のメカニズムを解明することにある。19年度の実績としては、18年度に行った基礎的作業を中心として研究・分析を進めた。まず定性的な分析としては、戦後の高等教育政策の要であり続けている、専門的人材の養成と私立セクターの2点に焦点を絞り、それぞれのイシュー・アジェンダ、政策形成・決定のプロセスを整理・分析した。前者に関しては、法曹、教員、薬剤師、介護福祉士などを事例として取り上げ、大学での養成、国家資格、専門職団体という3者の連関を軸に考察した。また後者の私立セクターについては、私学関係者ならびに私学政策に詳しい研究者にインタビューを行い、私学助成を中心とした政策過程についてその政治的背景を考察した。また、定量的な分析としては、イベントヒストリー分析など多変量解析を援用した政策研究の手法を批判的に検討するとともに、既存の統計パッケージを利用・工夫するなどして、大量の政策資料を解析する方法を探った。その成果として、戦後の国会議事録(衆参両院文教関連委員会)をデータベース化した上で、それをテキストとして見立て計量テキスト分析の分析ソフトウェアを利用して、戦後60年にわたる高等教育政策のイシューとアクターを抽出・考察を試みた論考が挙げられる。
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