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本研究はわが国戦時期における高等教育政策とそれに対する高等教育機関の諸行動を分析しようとするものであり、空白の多い戦時期高等教育研究への貢献をめざすとともに、政府と大学との関係をめぐる問題に新たな観点からのアプローチを試みるものである。具体的な作業内容は、(1)私立大学の経営行動に関する調査、(2)政府の私立大学政策に関する調査、さらに(3)これら(1)・(2)の知見を踏まえての総合的考察であるが、平成18年度には(1)および(2)について以下のような作業を実施した。
まず、(1)に関しては、各大学沿革史・資料集・紀要の検索・収集をおこない、関連文献はほとんど入手した。また私学に関する基礎的な統計データの収集・整理もおこない、一部についてはデータベース化をすすめている。
また(2)に関しては、私学政策に関する先行研究を網羅的に分析するとともに、当時の政治過程に関する政治学・政治史分野での先行研究も主要なものをほぼ分析しおえた。さらに同時期の教育政策に関する情報を得るために、『帝国議会委員会会議録』の関係箇所の検索および収集、『教育』・『帝国教育』等の主要雑誌記事の検索および記事データベースの作成をおこなった。加えて現在は『朝日新聞』『読売新聞』の関係記事の検索を実施しつつある。
以上のように、とくに私学政策に関する分析をおこなうための準備はかなり進んでおり、次年度においては、補足的な資料収集をおこなうとともに、私学政策に関する本格的な分析に着手する予定である。
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