研究課題/領域番号 |
18530655
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 卓己 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (80211944)
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研究分担者 |
佐藤 八寿子 神戸ファッション造形大学, ファッション造形学部, 講師 (10412115)
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キーワード | 放送教育 / 学校放送 / テレビ史 / 教養 / メディア・リテラシー / テレビ的教養 / 一億総博知化 / 一億総白痴化 |
研究概要 |
テレビ論やテレビ史の大半は娯楽文化論か政治報道論であり、教育関係は「子どもとメディア暴力」や「メディア・リテラシー」に集中しているが、本研究では「教育・教養のメディア」としてテレビ放送を再定義することをめざした。2006年度は「反教育」的テレビ論の原点となった大宅壮一「一億総白痴化」(1957年)と民間テレビ放送局認可の条件である教育・教養番組30%枠の問題について同時代資料を調査し、「再び"一億総博知化"へ」『新・調査情報』63号、「学校放送から「テレビ的教養」へ」『放送メディア研究』(NHK放送文化研究所)第4号を発表した。2007年度はその準備作業の上で、教室でのテレビ利用の時系列的変遷を考察した「放送教育の時代-もうひとつの放送文化史」(NHK放送文化研究所編『現代社会とメディア・家族・世代』新曜社2008年253-276頁)、さらに<通信=放送>教育におけるテレビ利用の問題を佐藤卓己/井上義和編『ラーニング・アロン-通信教育のメディア学』(新曜社2008年)において論じた。さらに上記の論稿をまとめて、佐藤卓己『テレビ的教養-一億総博知化の系譜』(NTT出版2008年)を上梓した。この作業を通じて、『放送教育』『視聴覚教育』ほかの文献調査を徹底し、「テレビ的教養」の社会学的分析をおこなった。テレビ的教養の「女性」バイアスの観点から、佐藤八寿子は調査を継続している。最終年度では先行研究をさらに整理し、NHK、民間放送、放送大学など諸組織ごとに分かれた個別研究を統合する「放送メディア教育」像を打ち出したい。
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