1、昨年度実施したアンケート調査の結果を分析することで、香川県における「小中連携」の取り組みの現状と、これを推進する小学校および中学校の教員の「中一ギャップ」の捉え方の微妙な違いを明らかにし、今後の積極的な小中連携教育のための方策を探った。 2、小学校における「理想主義的」な学校文化と中学校における「現実主義的」な学校文化という、二つの学校文化間の移行に伴う衝撃を、思春期という人生の移行期において経験することの人間形成上の意義を明らかにした。 3、小学校の教師と中学校の教師がお互いの学校文化の違いを認め、尊重しながら、なおかつ連携していくことは、そのこと自体が、二つの学校文化の間を移行し、両者の間に統合を見出そうとしている子どもたちへの声援となっていることを明らかにした。 4、1〜3の成果については、関西教育学会第59回大会(於、京都大学)において「「中一ギャップ」現象と小中連携の取り組みに関する研究」のテーマのもとに口頭発表した。また、香川大学教育実践総合研究第16号に、これとほぼ同趣旨で、かつ1の調査結果を詳しく紹介した論文(「香川県における「小中連携」の取り組みに関する研究」)を掲載した。
|