研究課題/領域番号 |
18530664
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
樋田 大二郎 青山学院大学, 文学部, 教授 (80181098)
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研究分担者 |
耳塚 寛明 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (40143333)
大多和 直樹 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (60302600)
堀 健志 東京大学, 基礎学力研究開発センター, 研究員 (10361601)
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キーワード | 工業高校 / 進路形成 / 教育社会学 / カリキュラム / 国際比較 |
研究概要 |
シンガポール(工業高校と工業高校本部)と九州のA県(企業と工業高校と県庁)で工業高校教育に関する訪問聞き取り調査を行った。 <シンガポールの場合> シンガポールの工業高校教育は、国家のマンパワー・ポリシーに強く影響されている。シンガポールは外国企業誘致のために、かつては法人税を免除したりもしたが、今は政府が海外企業が必要とする即戦力労働力の育成を行っている。この結果、海外企業は企業内教育を行う費用を節約できる。労働者は、使い捨てにされないためには、ITEの社会人向けのパートタイムの授業を受けるなど、OffJTで学習する必要がある。 <九州A県の場合> かっての工業高校卒業生は、中堅技術者であることが求められていたが、今日では大企業の製造業においては、オペレーター、保全、検査(ヒューマン・センサー)、システム設計、現場管理者、生産技術職などの職に就いていた。これらの職種はオペレーターも含めて、社内研修を積んで初めて可能となる比較的複雑・高度な仕事内容であった。職種によっては工業高校卒と大学工学部卒が席を並べて社内研修をしていた。今回の訪問先企業は、即戦力を求めていない。企業が工業高校卒業生に求める資質・能力については、いわゆる「人間的側面」に言及する企業が多かった。社内教育の観点から、はきはきしていること、愚直であること、素直なことなどが求められていた。また、仕事の遂行の観点からは、コミュニケーション能力(チームワーク、接客)が求められていた。またこのとき、すべての企業が異口同音に求めていたのは「もの作り」への情熱であった。
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