研究課題/領域番号 |
18530670
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
久保 良宏 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80344539)
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研究分担者 |
須田 康之 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90216474)
若林 高明 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20270184)
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キーワード | 教師 / 態度 / 教育社会学的視座 / 調査研究 / 授業分析 / 数学科の目標 / 授業タイプ / 数学的コミュニケーション |
研究概要 |
本研究は、数学科教師の数学教育に対する態度を、調査研究と授業分析などの事例研究から検討し、数学教育の今日的課題を教師の実態から明らかにするとともに、これからの教師教育や教員養成への示唆を得ることが目的である。 研究最終年度の平成20年度は、前年度行った中学校教師調査の結果(468名)を、地域別(北海道・東京・鹿児島)、年齢別(20代・30代・40代・50代)、男女別、学校の所在地別(農漁村・住宅地)、出身学科別(理学系数学・教員養成系数学教育・工学系)から分析した。その結果、「数学科の目標」では、人間形成や社会的有用性は重視されておらず、ここでは地域、年齢、出身学科で違いが見られた。また、「授業タイプ」を講義型・教科書重視型・自力解決説明型・自力解決個別指導型・問題解決収束型・問題解決発散型・学習者中心型の7つに分けて、これと教師の授業観との関係に着目した分析では、問題解決的な授業では、教師は数学的コミュニケーションを重視し、授業目表の達成を重視しながらも学習者の考えを大切にして柔軟に対応するという授業観を持っている傾向にあることが分かった。定期試験における採点の基準や、数学において正しいことの判断は何によってなされるかの分析では、地域別、出身学科別などで違いが見られたが、学校の所在地の特性が採点に影響しているといった傾向は見られなかった。数学の指導において、どのようなことを重視しているか(できる・わかる・考えを培う・楽しむ・身の回りの問題の解決に活用する・入試で良い成績をおさめる)を、教師自身の考えと、教師が予想する生徒や保護者の期待からの分析では、教師の考えと教師が予想する生徒や保護者の期待には一致していない面も見受けられた。 これらは、今後の教師教育や教員養成を考える上での着眼点に成りうると考える。
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