平成19年度の研究活動においては、全国の養護学校(特別支援学校)を対象としたアンケート調査結果の整理と分析を行い、同時に、視覚障害者教育並びに知的障害者・情緒障害者・肢体不自由者教育のための教材開発を行い、その提供を行いながら逐次評価を集積して開発教材の修正を試みた。 〔視覚障害者教育〕 この研究領域においては、長年の教材開発と教育方法の蓄積のある、視覚障害者のための理科教育を先行研究事例として参考にしつつ、視覚障害者にとっても必修科目となっている中学校「技術・家庭」科での教材がどうあるべきかという課題を問い直した。特に、最も危険な加工作業となる「木材加工のための教材開発」を検討し、平成20年度に試作する教材の基本的な検討を繰り返した。 〔知的・情緒・肢体不自由者教育〕 前年度に引き続き、各種学会と研究会での取材を行いつつ、全国の養護学校(特別支援学校)対象に実施したアンケート調査結果の整理と分析を行った。 知的・情緒障害者教育での作業的学習ための教材と、肢体不自由の中学生の「技術・家庭」科教材、肢体不自由・知的障害者教育での作業的学習のための教材開発を行い、実際に教材提供を行いつつ逐次評価を集積し、開発教材の修正を試みた。平成19年度の場合、特に配慮した開発観点は以下の4点であった。(1)低原価・安定供給するための基本要素。(2)商品としての付加価値(商品としての魅力)、(3)障害の程度にあまり左右されず、教育目標達成が可能な「教材の妥当性」、(4)将来においても、学校教育教材として採用が可能であるための条件の検討と整理。
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