研究課題/領域番号 |
18530675
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
立原 慶一 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10136369)
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研究分担者 |
蝦名 敦子 弘前大学, 教育学部, 教授 (20302010)
浅野 治志 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40143044)
長瀬 達也 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30333917)
新関 伸也 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80324557)
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キーワード | 熱中し高揚(ワクワク)感を覚えるような造形活動 / 具体的説明的形象以外の形象 / 表現性の高い作品を生み出させるような実践的方法論 / 活力にあふれた人間 |
研究概要 |
本研究では「アトリエ・コパン」に特有の教育内容が、「熱中し高揚(ワクワク)感を覚えるような造形活動」に求められると見なし、それを研究対象として考察する。具体的説明的形象などの造形言語は社会化の一環として習得されるべきもので、思考と感情の共通世界を基盤とした視覚的共通言語という性格のものとしてある。それはこれまで学校における図画工作・美術科教育の対象となってきた。アトリエ・コパンでは具体的説明的形象以外の形象こそが、「アトリエ・コパン」に特徴的な造形活動をもたらすものとして取り扱われる。それを基盤として考案・設定された題材は、幼稚園児から中学生までの幅広い範囲で受け入れられ、その成果に年齢差が付きにくい。その活動では「こうあるべき」という理想や当為から解放されているため、児童・生徒は安心して制作でき失敗と見なされる部分が現れにくい。作者は造形面における変化に引きつけられ、好奇心を誘発されて造形活動に没頭するのである。しかし制作途中から、いわば造形思考という人間的な行為が付け加わることによって、表現性の高い作品として結実することになる。それらはいずれも、具体的説明的形象以外の形象のおかげで造形的な強さが発揮され、それを背景とした形で主題表現がなされているといってよい。そうした題材実践がアトリエ・コパンの指導法を特徴づけている。それは、「熱中しワクワク感を覚えるような造形活動」の実現を目指すためのものであるが、それはまた表現性の高い作品を生み出させるための実践的方法論でもある。そこにアトリエ・コパンの独自性が際だっているといえよう。
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