「創発的綴り(invented spelling)」の生産的な事例を体系的に記述研究することを本研究の目的にしているが、本年度は基礎データの収集を行った。 最初に、準備研究としてすでに実施したデータから抽出した7段階の日本語綴りの能力の発達段階(仮説)に基づいて、日本語綴りに関する体系的な調査問題を作成した。 この調査用紙を使用して、小学校1・2年生を対象に次の協力校でアンケート調査を実施した。実施形態は通常の授業時間に授業として実施した。 ○2006年12月19日長野県上田市立武石小学校1年1クラス ○2006年12月19日長野県上田市立丸子北小学校1年2クラス ○2007年2月19日琉球大学教育学部附属小学校1年2クラス/2年1クラス 調査結果のデータを集計し、綴り方の実態を体系的に把握し、特に「創発的綴り」の顕現の様相と発達段階について解釈を行った。 その結果、仮説的に設定した7段階の発達段階は基本的に支持されるものであること、また今回のデータは収集時期が学年末に近いため、発達の後半期に偏っていることが判明した。特徴的な「創発的綴り」の事例を収集整理したが、発達段階前半期でないために、該当する事例は十分には揃わなかった。 この点については、次年度はじめ(5月頃)に、さらに1年生対象に同様の調査を実施して、発達段階前半の事例と実態をより詳細に把握する予定である。
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