[研究成果] 平成19年度は、療育的芸術教育の視点から、保健室登校児・不登校児を取り巻く人間関係に注視し以下の活動を実施した。 1)保健室登校児・不登校児を子どもにもつ親たちの会に定期的に参加。意見交換、情報収集にあたる。 2)教員志望の学生に対し、授業を通じて、保健室登校児・不登校児の理解を深めさせた。具体的には連句、描画、スクウィグル、音楽などの芸術療法技法を用いて、保健室登校児・不登校児、さらには彼らを子どもにもつ親たちとの交流を図った。 3)保健室登校児・不登校児、あるいは、彼らを子どもにもつ親たちとの交流を通して完成した諸作品の鑑賞会を計画・立案し実行した。 4)平成18年、19年には山梨県・山梨大学連携研究公開事業にて口頭発表およびポスターセッションを行い教育関係者らに対し保健室登校児・不登校児支援の糸口を芸術教科の立場から発表した。 [研究意義・重要性] 芸術至上主義、技術至上主義になりがちな芸術科、音楽科の学生に対し、心を閉ざしがちな子どもに対する意識改革は、これからも減ることはないと思われる保健室登校児・不登校児の教育支援対策のひとつとして有意義だったと思われる。また、保健室登校児・不登校児をこどもにもつ親との交流は、特別支援教育、地域連携の視座からも芸術教科に携わる教師にとって多くの示唆を得るものであった。
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