研究概要 |
研究を通して問題解決過程の6段階が明らかとなった。 1)いくつか複数の問題をさがす 2)問題に関する疑問を出し合いいろいろな事実を見つける 3)自分たちが扱える問題(仮説)に一つ絞る 4)問題解決のためのアイデアをいくつかだしあう 5)解決方法を決定する 6)決定した解決方法の実行計画を一つか二つ作る 単純化していえば,リストをつくる→それらを比較して分類する→優先順位を決める。このような活動をペアやグループ,クラスという集団で繰り返して,その質を高める 一方,社会科は,活動だけが目的でない。子どもたちには姿が見えにくい「社会」をわかったという状態にする目的がある。そのためには,学習内容の「キーワード」を教師自身が自覚しておく必要がある。そのキーワードを使って,その時間のまとめをさせたり,そのまとめが本当にわかりやすいか正しいかを話し合ったりする活動こそ,社会科における思考力育成型学習といえる。歴史学習が,社会科教育として行われる場合は,この点が一層重要になる。 社会科は,民主的な市民を育てる教科である。だから,社会科の授業自体が民主的であるべきで,子どもたちが意見を言ったり話し合う活動は,他の教科以上に大切にしたい。そのときに子どもたちが意見をいいたくなる教材やテーマが必要である。従って,答えが固定されていず,多様性のある学習課題の設定が重要となることが明らかになった。現在,この研究成果をまとめ公表する準備中である。
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