研究課題/領域番号 |
18530696
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆司 三重大学, 教育学部, 教授 (50159886)
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研究分担者 |
丹保 健一 三重大学, 教育学部, 教授 (40115712)
余 健 三重大学, 教育学部, 助教授 (90345968)
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キーワード | 言葉の豊かさ / 方言の消失プロセス / 総合的な学習の時間 / 文集 / 熊野 / 世界遺産 / 教材開発 |
研究概要 |
(1)熊野地域における文集資料の収集を進めた。三重県熊野市・南牟婁郡地域の全小学校にアンケート調査を行い、残存している1940年代〜1970年代の文集資料の確認および収集を行った。収集した資料の整理、分析を進めている。 (2)熊野の海岸部の高年層を対象にした自然談話における音声・音韻的な特徴と地域差について、調査と分析を進めた。木本町出身の81歳の女性は「バッタ」のことを「ガタギ」と発話し、語中・語尾だけでなく、語頭(下線部)でも鼻濁音が確認された。他の3名の高年層話者にもガ行鼻濁音は確認されるが、全体的に破裂音や摩擦音との間で揺れていて不安定的に確認される。飛鳥町や紀和町楊枝出身者に多く確認された前鼻音や重起伏音調は、ほとんど確認されない。また1925年当時には多く確認されたザ・ダ.ラ行の区別がない状況は、現在の熊野全地域の高年層において、ほとんど消失しているといえよう。熊野の中で比較的色濃く方言音声的な特徴を残している飛鳥町や紀和町楊枝の内陸部と共通語化が進んでいる熊野市街地の海岸部に大別できる可能性を指摘できる。 (3)その他、熊野の遊び言葉についてのビデオ編集やそれを生かした指導案(総合的な学習)の検討を行った。
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