本研究は、戦後の音楽科教育実践の展開過程をコア・カリキュラムプランや当時の教師・関係者への聞き取りを通して検討し、実践上の教材構成の変遷として次のような時期区分を示した。それは1940年代後半のコア・カリキュラム自主編成の隆盛期に教科枠を超えた合科・統合的な音楽の単元学習を試行した音楽科が、教科内容の系統的学習を課題として楽曲単位の教材構成へと移行し、1960年前後には音楽の諸要素を分析し、統合的に扱う単一楽曲複数活動による教材構成へと定形化していったということである。またその系統性を創作活動によって担保する実践が複数の教育研究団体より提起され、画期を形成したことが明らかであった。
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