研究概要 |
本研究の目的は,後期中等教育や高等教育での数学教育に関して,生徒の数理的思考の広がりを図る教育を検討することであり,今年度の主要な研究成果は次の通りである。 1.離散的な側面をもつ図形教材の発展的側面を考察し,その数理的な意義を明らかにした。 その成果は,全国数学教育学会の専門誌,数学教育学研究の論文として公刊された。 2.国際心理教育学会(PME),全国数学教育学会,日本数学教育学会などの学会に出席し,研究発表を行うのと同時に種々の研究資料を入手し,関係する研究者との研究交流を図りながら,本研究の推進を図った。 3.1930年代に出版された第一類の教科書を研究する中で,その優れた近似性の扱いに着目し,現行の学校数学での扱いとの比較と,実際の授業実践を通した近似性の理解を図る教材作成を行った。その成果は,日本数学教育学会の論文発表会で発表した。 4.本研究の協力者である高校教員との共同研究を通してまとめた,高校生による「数学の問題作り」に関する論文が,日本数学教育学会の専門誌に受理され公刊された。 さらに,高校での授業実践を通して,高校生による微分の問題作りの研究を行い,全国数学教育学会で研究発表を行った。その内容は論文にまとめ,当学会の雑誌に投稿中である。
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