研究概要 |
本研究の目的は,後期中等教育や高等教育での数学教育について生徒の数理的思考の広がりを図る教育を検討することであり,今年度の主要な研究成果は次の通りである。 1.高校での微分法の演算の指導において,機械的な練習を通した技術習得にならないような,問作活動の実践を分析し,その成果を全国数学教育学会の専門誌,数学教育 学研究に投稿し,受理されて公刊された。 2.高校でのコンピュータを活用した授業実践を行い,その考察を日本数学教育学会の論文発表会で公表した。 3.小・中・高校及び大学に一貫した教材開発の一つとして.格子の性質の教材化を試み,その成果を全国数学教育学会で発表した。その内容をまとめた論文は現在投稿中である。 4.円に関わる離散性質の数理的な教材性を考察する中で,スタインハウスの問題に関係する数学的な面白い結果が得られ,数学の専門雑誌(J. Math. Sci.: Advances and Application)に投稿し,受理されて公刊された。 5.数理的思考の広がりを図る教材開発の中で,ディック経路に関係した組合せ的性質を注目し,ある一般化された設定での興味ある結果を得たので,日本数学会中国四国分科会で研究発表した。 6.数理的な広がりをもつ教材としてベクドルの外積の性質に注目し,平面の場合の垂直ベクトルというものがもつ具体的な教材を考察し,所属研究科の紀要に掲載した。 7.本研究の継続と発展を期して,関係ある学会や研究集会に積極的に参加した。 8.本研究の総まとめとして,本研究の成果を収録した報告書を作成した。
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