香川大学教育学部特別支援教室「すばる」において協働的に開発を行っている「算数テスト」について、公立小学校で実施した結果を分析し、「第2回香川大学教育学部特別支援教育研究大会」にて報告した。「算数テスト」は、小学校第1〜3学年の児童を対象とし、算数のつまずきなどを発見するとともに、「すばる」で個別指導を受ける児童に対して算数の習得状況などを判断し個別の指導計画作成の資料を得るなどを主な目的として作成されたものである。本テストは小学校における算数教育と特別支援教育での算数の個別指導とを架橋する役割を果たすものであり、今後は本テストを実施し個別の支援・指導に活用する具体的方法を事例研究を通して検討を加える予定である。 上記の算数テストの分析とともに、「すばる」で個別指導を受けた児童の指導過程についても検討を加えた。個別指導を行うには、それぞれの児童の実態にそくした対応が必要であり、そのためにも様々な事例を検討し蓄積していくことが不可欠である。そのような事例を、今後は香川大学教育学研究科特別支援教育専攻特別支援教育コーディネーター専修(H20年度開設)の授業である教科の指導法・算数の指導)で活用するとともに、個人情報に留意しつつ引き続き指導事例を報告する。 また、学習指導要領の改訂、とりわけ「習得・活用・探求」のそれぞれの学習の重要性、あるいは「思考力・判断力・表現力」の育成がいわれている。また、通常の学級に在籍する発達障害児童生徒に対する特別支援教育が開始されたことを踏まえ、算数科の内容や指導方法、及び発達障害の児童生徒の指導に関する資料を収集した。これらを踏まえ、「算数テスト」や個別指導の方法などについて、今後さらに検討を加え報告する。
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