ICTを美術教育に積極的に取り入れ活用する研究として行ってきた。 今年度は、前年度までに行ってきた研究実践の現場定着と、発展的応用をはかることで活用の幅を広げることを行った。これまで深刻な教育問題である不登校についてICT活用による美術教育での対応を進めた。内容はインターネットによるテレビ電話授業をはじめ、現場での対面授業でのICT活用による短時間完結の授業実践を行い、さらにそれらをもとにした、教育現場(中学校)での対応をはかった。 今年度は熊本市適応指導教室で5回(実施日:平成20年5月15日、7月17日、10月9日、12月4日、平成21年3月5日)、山鹿市適応指導教室で6回(実施日:平成20年5月29日、7月10日、10月14日、12月15日、平成21年2月12日、3月12日)、水俣市適応指導教室で2回(平成20年5月22日、10月30日)の実施と、それら実践を基に、中学校現場でのテレビ電話授業を企画し、熊本市立桜山中学校美術教室と熊本大学教育学部絵画研究室をインターネットで結び、テレビ電話授業を行った(実施日:平成20年12月17日)。授業内容は、適応指導教室において陶芸、スケッチ、水墨画、版画、アニメーションに関する授業をそれぞれ行った。桜山中学校とは、テレビ電話による水墨画の授業を行った。授業実践にいたるまで、事前に打ち合わせを重ね、現場での授業内容の調整・改良、ICT環境の整備・確認に伴う授業準備を行い、実施している。これら一連の実践研究は不登校生への対応とともに、授業現場への対応も含めて、ICTの有効な活用の可能性を探る実績となった。
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