• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

旧グローバル論の日本的遺産としての教育基本法第1条の射程に関する考証

研究課題

研究課題/領域番号 18530724
研究機関琉球大学

研究代表者

高良 倉成  琉球大学, 教育学部, 教授 (90188102)

キーワード教育基本法 / 公民 / 多元主義 / 社会科
研究概要

具体的内容:学校教育法や学習指導要領でのキー表現としても掲げられてきた教育基本法第1条における合成表現「国家及び社会」は,法規類や行政文書ではほとんど使用例がない(唯一の例外は1900年の小学校令施行規則)ことを確認。教基法制定に関わった文部省側スタッフ,教育刷新委員会委員,GHQ-CIE関係者などの営為と,明治以降の社会思想史とを関連づけて,合成表現「国家及び社会」の固有の含意を析出した。
意義:指導要領における社会科系科目の目標規程でも「国家及び社会の形成者」は核をなす表現で,教基法以後の「公民」像の根幹となるはずであり,社会科の役割を再検討するうえでその合成表現の含意を明確にすることは重要である。とくに,諸社会科学・人文科学が社会科教育に貢献するさいの結節点は,多種多様な諸社会それぞれにおいて「社会とその形成者」という付置状況が存在するという認識を共有することにあり,各種専門分野の知見を盛り込んで具体化する前提条件として「国家及び社会」という合成表現の含意を解明することは特段の意義がある。
重要性:社会科教育に関する各種論議が「国家及び社会」という表現についての分析を放置してきたことは,従来の社会科教育研究の最大の難点の1つであり,「国家及び社会の形成者」を国家公民と等置するような短絡的な公民観が横行する原因の1つである。本研究はそのような短絡的な解釈を否定する論拠を提供した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 教育基本法に内在する多元主義の再検討:「国家及び社会」という合成表現を手がかりに2008

    • 著者名/発表者名
      高良倉成
    • 雑誌名

      「公民教育研究」(日本公民教育学会) 15(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 戦後改革期までの<国家及び社会>と<国家社会>の用例比較2007

    • 著者名/発表者名
      高良倉成
    • 雑誌名

      「琉球大学教育学部紀要」 71

      ページ: 37-53

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi