研究概要 |
研究の目的は, 高校統計教育カリキュラムにおけるグラフ電卓を利用した教材を開発し, 実験授業のデータ分析により開発された教材の効果を特定して, それらの教材をデジタルコンテンツ化することである。 研究の内容は, 次の4つである。 (1)グラフ電卓を利用した統計の教材開発 海外の統計教育に関する教科書や研究論文を収集・整理し, それらで扱われている教材や活動を検討して, わが国の高校数学で実践できると考えられる教材を開発する。 (2)グラフ電卓教材による実験授業の実施 高校生を対象にし, 開発された教材を利用した実験授業を実施する。その際, プロジェクタで映写してグラフ電卓の操作を指導し, 1人に1台ずつのグラフ電卓を実際に操作させながら授業をすすめる。 (3)教材の効果の特定 第1の評価項目として, 統計の概念を理解し, その概念を問題解決等に利用できる「統計的リテラシー」。第2の評価項目として, 日常場面の課題に対して, データから読み取れる情報に基づいて推論する「統計的推論」。第3の評価項目として, 標本抽出の方法も含め統計的探究プロセスの総合的な理解に関する「統計的思考」。これら3つの項目を測定するための評価問題を作り, グラフ電卓教材の効果を特定する。 (4)教材のデジタルコンテンツ化 グラフ電卓シミュレーションソフトを利用し, グラフ電卓による操作を動画として録画する。それとともにワークシートを作成し, グラフ電卓を利用する統計教育コンテンツとして, 公開をすすめる。
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