本年度は研究の最終年度でる。従来から行ってきた調査研究活動の基礎資料についてテーマに即した考察を加え、今後のカリキュラム構成を踏まえながら本研究を総合的にまとめることが本年度の目的である。 それまで実施してきた調査研究活動は、(1) 家庭科教諭ならびに栄養教諭の栄養教諭制度や連携授業に対する意識調査(2) 小・中学校における連携授業の実施と各教諭の授業等についてのインタビューとの映像教材の作製(3) 本学栄養教諭資格取得者に対する視聴を通しての自作映像教材の検証(4) 3都県における栄養教諭の職務の実態等である。 4年間の調査研究活動を通して、また家庭科教諭・栄養教諭の授業や教育実習等、教職課程の指導にかかわって、筆者らが理解し得たことは以下のとおりである。 ●家庭科教諭ならびに栄養教諭との連携の姿には「授業」の他、「資料作成」、「年間計画」等様々な形がある。●授業やインタビュー等の映像教材は、それぞれの職種の内容を具体的に理解させる適切な教育方法のひとつである。●教職において不可欠な「連携するための力作り」の素地は、教員となるための「姿勢」「知識」「指導力」である。●「教育実習指導」「教育実習」「教職実践演習(22年度より実施予定)」の内容をさらに充実させ、学生に積極的に働きかける。●栄養教諭の職務は、各都県により実態は異なり、多忙の中それぞれ特徴的な勤務体制により実施されていた。 本研究のねらいとして「我が国の児童生徒の健康の増進、望ましい食習慣の形成を教育を通して目指す」ことを掲げたが、様々な社会の変化に対応できる教員の養成、そして様々な切り口から食教育にアプローチできる柔軟性に富んだ教員の養成が今後ますます望まれるであろう。
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