(1)本研究は、社会系のメディア・シンセシス教材の開発の基盤構築と試案作成を目標として実施された。(2)2006年度の成果としては、I)システム設計面においては、新しいOSを導入し、画像、音声関連機器など、メディア・シンセシス教材作成のための必要機器に関する検討を行い、統合的なシステム環境を一部構築した。2)同時に教材作成上の示唆をえるため、米国・仏国・日本の社会系を中心とする教材・教具、また教材開発の内容として必要な資料などを収集した。3)教材ソフトのプロト・タイプとなり、OSフリーかつ開発のためのソフトもほとんど使用しないため汎用性のある教材ソフトのモデル・プランを中学校社会科地理的分野に関して開発することにした。この分野での世界の国と地域についての学習は現行教科書のみを用いた学習では課題が多く、改善・改良が要請されている。そこで具体的に「ニュージーランド」について各ページ5フレーム構成、テキスト、画像のリンクしたメディア・シンセシス教材として、教師指導のもとであるいは生徒が単独で使用可能な電子教科書モデルを作成し、試行し、改良を加えている。4)教材開発の内容として必要な資料とりわけ著作権フリーな画像・映像・音声などをフランスおよびドイツについて収集した。これは、上記モデル・プランに続く異なるタイプの教材開発で活用する予定であり、次年度も継続する。(3)2007年度、上記電子教科書モデルをさらに改善し実用的なものとし、口頭ないしは論文として公表したい。
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