(1)本研究は、メディア・シンセシスを用いた社会系教科の教材の開発とそれを用いた授業書試案作成を目標として実施された。(2)2007年度の成果としては、1)教材ソフトのプロト・タイプとなり、OSフリーかつ開発のためのソフトもほとんど使用しないため汎用性のある教材ソフトのモデル・プランを中学校社会科地理的分野に関して開発することにした。この分野での世界の国と地域についての学習は現行教科書のみを用いた学習では課題が多く、改善・改良が要請されている。そこで具体的に「ニュージーランド」について地理に基礎をおきながらも歴史や公民の視点をも導入した他国(外国)理解をめざすグローバルな視点を活かした教材ソフトを開発した。ソフトは全8ページ(画面)からなり、各ページが5フレーム構成で、テキスト、画像のリンクしたメディア・シンセシス教材として、教師指導のもとであるいは生徒が単独で使用可能な「電子教科書」タイプ教材を作成した。2)あわせてこのソフトを用いて授業を実際に行えるようこのソフトに対応した全4時間からなる学習指導案もセットで開発した。3)成果は、日本グローバル教育学会において口頭発表した。また、論文として、『評論・社会科学』および『グローバル教育』に投稿、採択された。4)同時に教材作成上の示唆をえるため、米国・仏国・日本の社会系を中心とする教材・教具、また教材開発の内容として必要な仏国、独国、韓国などの資料などを収集した。
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