本年度は本研究課題の最終年度に当たり、これまでの研究成果を踏まえて発達障害幼児の保護者支援プログラムの開発と支援システムの構築に向けた研究のまとめに取り組んだ。まず、発達障害児の早期支援及び保護者支援に関する先行研究を整理するために国内外の研究資料を調べた。とりわけ本学と姉妹提携を結んでいるミドルテネシー州立大学(MTSU)の早期支援センターであるプロジェクトHELPでの取り組みに着目し、その成果を本学で取り組んでいる早期支援教室(「つばさ教室」)での実践に生かすと共に、福島県内における支援システムの構築に向けた課題を整理し、その実現に向けた具体化について検討した。特に早期支援については連携研究者(昼田・鶴巻)の協力を得て、本学の「つばさ教室」で保護者に対するペアレント・トレーニングを実施し、幼児教室ではアセスメントの実施と個別指導計画に基づいた個別指導に当たり、具体的な支援内容の検討を行った。地域支援については、南会津教育事務所及び相双教育事務所からの情報収集を行い、地域の特性を生かしたシステム作りの基礎資料とした。 また、就学指導に関する情報や教育相談、保護者のニーズ調査等については福島市教育委員会(就学指導審議会)と連携して、発達障害幼児の就学指導の在り方や学校教育へのスムーズな移行支援の在り方と課題を整理した。
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