研究課題/領域番号 |
18530746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柳本 雄次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30114143)
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研究分担者 |
浦崎 源次 群馬大学, 教育学部, 教授 (00193962)
石田 祥代 東京成徳大学, 人文学部, 助教授 (30337852)
椎名 清和 つくば国際大学, 産業社会学部, 講師 (70337294)
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キーワード | 「特別ニーズ」保育 / 専門的支援 / 巡回相談 / 特別支援学校のセンター的機能 / 特別支援教育コーディネーター / ツール開発 |
研究概要 |
地域の実態をふまえた幼稚園・保育所における特別ニーズのある幼児への専門的支援の提供システムを明らかにするため、以下の先駆的な取り組みを行っている地域を対象に実地調査による情報収集と面接調査を実施した。 1.地域の特別支援教育センターとして先進的に取り組んでいる大学附属養護学校のうち、筑波大学附属大塚養護学校における幼稚園・保育所への専門的支援に関し取り組みの現状と課題の分析を行った。就学前の相談支援は充実しておらず、特に就学後につなげる移行については十分とはいえないことから、この移行期における相談支援を積極的に行っていた。そこでは、実際の事例への具体的な支援方法についてのニーズが高く、園内研修への関与が多かった。個々のケース支援にとどまらない、園全体のエンパワーメントとなる支援のあり方が課題となっていた。このため、保育士と同等な立場での定期的な支援会議、ケースに即した指導法の研修会が試みられていた。 2.自治体福祉部門による専門的支援については、静岡県で実施された保育所を対象とした障害児保育に関する調査(2005)を参考に、巡回相談や研修等への専門的支援のニーズを把握する調査項目の検討と質問紙の作成を行った。 3.地域ネットワークに先進的に取り組んでいる滋賀県湖南市における支援の取り組みについて現状と特徴を明らかにするため、同市の関係者の概要説明と聞き取りを実施した。同市ては幼稚園・保育所等に特別支援教育コーディネーターがおり、療育部門を核とする母子サービス調整会議が開催されていること、特別ニーズのある幼児への支援の相談、事例検討、園内研修には巡回相談員が対応していること、学校教育と療育・福祉の領域を統合した部局横断型の発達支援システムが構築され、ITネットワークが運用されていることが特徴として挙げられる。
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