本年度は、引きつづき日本国内の社会運動に影響を与えた雑誌類における「日韓」「韓国」関係記事を系統的に調査し、記事目録の作成及び記事内容の分析作業を行った。また、日本の社会運動における在日の問題を視野に入れる必要から、在日韓国人人権協会などの在日韓国・朝鮮人の社会運動団体からのヒアリング調査及び資料調査を行った。 8月に日韓文化交流基金よりフェローシップとして1ヵ月の研修を行うことになり、韓国における対日認識問題に関する資料収集(現地地方新聞である『釜山日報』の記事収集)と釜山大学政治外交学科をはじめとする現地研究者との意見交換を行った。 調査・研究を進めていくなかで、日本側の韓国認識にせよ韓国側の日本認識にせよ、両国のナショナリズムの問題と深く関わっていること、ナショナリズムをめぐる具体的問題を通じた両国側の認識の際を具体的に分析する必要性があるという結論に至り、両国間の歴史認識問題及び領土問題をめぐる言論機関の記事分析を進めることとした。その成果の一部を、2008年9月に東亜大学(韓国・釜山市)で開催された韓国地方政府学会にて報告し、また同学会が発行する冊子に論文として公表した。 2009年3月に研究協力をいただいた釜山大学政治外交学科を訪問し、この間の研究成果について意見交換を行うとともに、今後の研究について継続的協力を得ることとなった。
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