研究課題/領域番号 |
18540004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
奥山 哲郎 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60128733)
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研究分担者 |
長谷川 和泉 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50002473)
北山 雅士 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80169888)
大久保 和義 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80113661)
八ッ井 智章 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (00261371)
佐々木 洋城 信州大学, 全学教育機構, 教授 (60142684)
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キーワード | 有限群の表現論 / ブロック多元環 / 導来同値 / グラウバウマン対応 / 加群の複体とコホモロジー |
研究概要 |
18年度〜19年度の2年計画の初年度の取り組みについて、「研究の目的」、「研究実施計画」にそって、以下の2点について報告する。 1.グラウバウマン--渡辺対応ブロック上のある種の両側加群の構成について グラウバウマン--渡辺対応の指標理論から、対応するブロック多元環A、Bの中心の間の同型が得られる。この同型は、ある種の2つの両側(A, B)加群の差として解釈される。この加群間の写像「関連子」を構成し、ブロック間の導来同値を与える傾斜複体の構成を目標としてきた。RouquierのGlueing up手法と帰納的考察から、対応するブロックが安定的同値である事実の確認に目処がついた。導来同値性についての考察をさらにすすめていく。 グラウバウマン対応の設定は、有限代数群における新谷ディセント、川中の指標の持ち上げ理論と密接に関連している。本研究課題の考察の中で、有限代数群におけるAlvis-Curtis-Kawanakaのdualityと自己導来同値性に関する予想の解決を見、発表準備中である。 2.可解群、不足群が巡回群である場合の傾斜複体の構成について 1に述べた対応するブロック間の安定的同値は、不足群が正規部分群である場合、及び群が可解群である場合には、森田同値となり、Harris、田阪の結果の別証明を与える。不足群が巡回群である場合、越谷-Kulshammerのブロックの分裂定理の精密化を鈴木群Sz(q)で考察し、導来同値なブロックの新しい例を得た。この例では、不足群は非可換群であるが、焦点部分群が巡回群で、ブロック多元環がある種の分裂をもつ。考察の過程で、ある種のp-群のコホモロジー環を決定でき、Ree群Re(q)での同様の考察にその応用をさらに探っていく。 また、考察の中で、ある種のEndotrivial加群が出現し、相対射影被覆の理論の有用性が確認され、次年度にその応用を図りたい。
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