研究課題
基盤研究(C)
擬似循環連分数の1つであるHurwitz連分数には代表的な3つのタイプが存在するが、これらが超幾何関数を使うとより簡明に表されることがわかった。これにより、これら3つのタイプをそれぞれ含む周期がより長いHurwitz連分数を求めることが出来た。擬似循環連分数のまた別の1つであるTasoev連分数については、Hurwitz連分数の一般化と同様な手法を用いることにより、対照的な一般化が可能であることが解明された。さらに、一般的な擬似循環連分数を構成するアルゴリズムの1つがわかり、これによりTasoev連分数の有理近似が可能になり、具体的な近似の指標を与えることが出来た。また、慶應大学の桂田昌紀氏と仲田均氏の協力により、前年度開催した研究集会の論文集を出版することが出来た。この論文集には、本研究代表者が招待したパリ第6大学のMichel Waldschmidt氏による連分数とwordとの関係に関する論文、同じくリビウ工科大学のKhrystyna Kuchmins'ka氏による2次元連分数に関する論文が掲載され、擬似循環連分数の応用面の研究に大いに役立った。また、研究協力者であるサンフランシスコ州立大学のMatthias BeckによるFrobenius問題とDedekind和の論文は今後の新しい擬似循環連分数の構成に示唆を与えるものであった。同じく研究協力者である北イリノイ大学のDouglas Bowman氏などによるRamanujanのq関数に関する論文は、Tasoev連分数との関連性を考える上で大変参考になった。最大の成果は、やはり研究協力者であるハノーヴァー大学のCarsten Elsner氏と慶応大学名誉教授の塩川宇賢氏と共同で、適当な関数を与えることによりピタゴラス三つ組を成す数の有理近似を求めることが出来たことが挙げられる。
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