研究課題
今年度の成果は、leaping convergentsの概念を応用することに成功したことに集約される。Leaping convergentsとは連分数の近似分数を飛び飛びに取ったものであるが、特にHurwitz連分数やTasoev連分数に代表される擬似循環連分数での扱いが主となる。これは、擬似循環連分数においてleaping convergentsをうまく取ると非常によい近似が得られることによる。この性質を利用したのが、ピタゴラス数による双曲線関数の値の近似問題であり、leapin convergentsを考えることにより非常に正確な近似関数と近似定数を与えることに成功した。今後双曲線関数以外の関数における応用が期待される。また、leapin convergentsの分母・分子を具体的に閉じた形で表すことが出来た。この結果自体画期的であるが、さらにこれらの閉じた形からleaping convergentsの満たす三項関係式が導かれた。連分数の近以分数の分母・分子が三項関係式満たすことはよく知られていたが、今回の結果はこの発展的類似に相当する。今年度に得られた結果は擬似循環連分数のうちの特定の場合に限ったものでめったので、今後はより一般の場合に拡張することが課題である。また、leaping convergentsの閉じた形を利用して、連分数が擬似循環するe^<2/s>のleaping convergentsによる近似を、積分を使って評価することにも成功した。これはe^<1/s>に関する以前の結果を拡張したものであるが、leaping convergentsを他の関数の値にも適用することにより、より一般の場合こ拡張出来る可能性がある。
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日本数学会代数学分科会講演アブストラクト(2008年3月23日〜3月26日, 近畿大学)
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Czech. Math. J. 57
ページ: 919-932
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Combinatorial Number Theory, Walter de Gruyter
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J. Theor. Nombre de Bordeaux 17
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日本数学会代数学分科会講演アブストラクト(2007年9月21日〜9月24日, 東北大学)
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