研究概要 |
ホップ代数と量子代数学の大きな応用分野として、準三角ホップ代数、組紐カテゴリーに関係する結び目不変量の研究がある。本プロジェクトでは上記の研究を新しい視点から見直し次のような研究を行った。 (1)Caenepeel, Crivei, Marcusらと共同で、ガロア理論を量子化する立場から、ホップ代数Hを固定して、さまざまなH余加群代数の問の森田同値の理論(H森田理論)を研究し、Journal of Algebra誌上に発表した。 (2)有限群の代わりに代数群(つまり可換ホップ代数)を用いたガロア理論としてのPicard-Vessiot理論をさらに発展させて量子群を用いたガロア理論に向けた準備段階としてPicard-Vessiot理論へのホップ代数的アプローチを天野勝利、増岡彰と研究し、Handbook of Algebra誌上に発表した。 (3)研究代表者(竹内)が1977年に導入し、近年Boem, Brzezinski等から注目されているbialgebroidの枠組みで量子代数で重要な役割をはたすFRT(Faddeev, Reshetikhin, Takhtajan)構成を北大の渋川陽一氏と共同研究しJournal of Algebra誌上に発表した。
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