研究課題/領域番号 |
18540033
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木村 俊一 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10284150)
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研究分担者 |
山崎 隆雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00312794)
木村 健一郎 筑波大学, 数理物質科学研究科, 助教 (50292496)
池田 京司 大阪大学, 大学院・理学研究科, COE特任研究員 (40397617)
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キーワード | モチーフ / テンソル圏 / Schur次元 / 国際協力研究 / フランス:オランダ:ドイツ:カナダ:メキシコ |
研究概要 |
本年度の研究中に、3つの大きな成果をあげた。 まず、ライデン大学のMurre教授との共同研究で、ピカール関手が、有限次元性を仮定した上で構成の仕方によらず一意であることを証明した。これは、モチーフの有限次元性という概念が良い応用例を持つことを示したものである。 次に、Hodge予想に対するモチーフ的なアプローチが可能であることを証明した。この成果は、Su-Jeong Kang氏を本研究費で日本に招聘して、研究連絡を行ったことから突破口が開けた。モチーフの有限次元性は現在Bloch-Beilinson予想との関連で注目されているが、Hodge予想への応用も将来的には視野に入れられるかもしれないことを示した成果である。 最後に、高橋宣能氏、木村健一郎氏との共同研究で、テンソル圏の対象がSchur finiteであるならばそのMotivic zetaはDeterminantally Rationalであること、さらにそのSchur次元がHookであるならばUniformly Rationalであること、逆にHookでなければMotivic ZetaがUniformly Rationalでないような例が構成できることを証明した。これはひとつにはAndre氏の予想、つまりモチーフのMotivic zetaがRationalであることが示されれば、そこからモチーフの有限次元性が示されるのではないか、という提案に対する反例になっている。一方で、Mazza-Pedroneの結果によれば、モチーフのSchur次元がHookの場合、そしてその場合に限りNiloptencyが形式的に従うことがわかっており、もしMotivic zetaの有理性とNilpotencyとの関連が示されればAndre氏の予想の面白い改良版に道を開く結果かもしれない。
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