研究課題
基盤研究(C)
理論的誤り訂正符号の研究の中で、中心的な研究テーマである代数幾何符号の構成問題について、明示的で代数的な符号構成法を開発するのが、本研究の目的である。本年度は、一番よく研究されている代数幾何符号のエルミート符号を対象に研究を進め、より抽象的な評価符号の概念を用いて、従来とは異なる方法でエルミート符号を構成した。さらに、新しく構成したエルミート符号に対して、誤り訂正符号の誤り訂正能力を決定する指標である最小距離を計算し、その最小距柾の下方からの限界を示した。この最小距離の限界から、従来のエルミート符号との能力と比較し、新しく構成したエルミート符号が、次元が大きい場合に、従来のエルミート符号より優れていることを証明した。この結果は、数学専門誌に投稿し掲載が受理された。また、最近高速度の無線通信技術に応用が始まっているLDPC符号の構成問題に関して、単純な構造で高い誤り訂正能力をもつLDPC符号、符号化計算の計算量が少ないLDPC符号の構成に成功した。分担研究課題は次のような進展があった。代数体の整数環の巾底について、ガロア群の位数が8以上2-基本アーベル群の場合に円周24等分体以外に整数環が巾底を持つときは存在しないことを証明した。超幾何微分方程式のモノドロミー群として与えられるショットキー群のなす3次元複素多様体を研究し、その基本群の生成元を与える超幾何方程式の変形を構成した。射影次元が生成元の個数より2だけ小さい被約単項式イデアルを、超グラフを用いて特徴付けた。
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Kyushu Journal of Mathematics Vol.61 No.2(to appear)
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Proc. of International Conference ''Algebra, Number Theory and their applications'' Oujda-Saidia Morocco, 2006 (to appear)