本年度は、以下の研究を行った。 三角圏のねじれ対に関する研究 三角圏の部分圏の捩れ対について、研究した。1.ホモトピー圏における捩れ圏:ホモトピー圏においては、下方有限、上方有限、非輪状な圏からなる振れ対があること。2.捩れ対のもたらす対称性:捩れ対と連動する函手においては、対の片方の部分圏においてこの函手が同値(または稠密、忠実、充満)であるときには、もう片方の部分圏においても、ひいて圏全体で函手が同じ性質をもつことがわかった。3.商圏との関連:捩れ対が商圏においても捩れ対であるための条件を調べた。4.ゴレンシュタイン環の場合:3組の捩れ対が観察され、非常に高い対称性をもつことがわかった。これは、環自身の対称性が本質的である。5.捩れ対の多角形:3組以上の捩れ対が、Serre函手によって体系的に構成されることがわかった。6.定理:ゴレンシュタイン環上のあるホモトピー商圏が、上三角行列環のコーエン・マコーレー加群の安定圏と三角同値であることを示した。このBuchweitz型の定理は、先行するBuchweitzの定理におけるホモトピー商圏を部分圏として含む。
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