研究概要 |
平成18年度に得られた成果は以下の通りである. (1)sliceをもつlocally nilpotent derivationによって誘導されるトーラス群の作用について,研究を行った.その結果,locally nilpotent derivationの1つの重要なクラスであるtriangular derivationについて成果が得られた.すなわち,sliceをもつtriangular derivationによって誘導されるトーラス群の作用は線形化可能であることがわかった.また,locally nilpotent derivationはアファインfibrationと密接な関係があり,アファインfibrationについても研究を行った. (2)加法群の作用をもつアファイン代数多様体の同変自己準同型について研究を行い,成果を得た.すなわち加法群の作用をもつfactorialなアファイン代数多様体の同変自己準同型は,そのinduceするquotientの同型を引き起こすならば,同型であるということがわかった. また,宮西が中心となって,Jacobian予想に関連した考察をP.Cassous-Nogues, R.V.Gurjarらとおこなった. (3)7月にはポーランドでのアファイン代数幾何学シンポジウム,8月にはベトナムでのワークショップに出席し講演を行った.また,1月にはドイツ,Oberwolfachでのアファイン代数幾何学研究集会に出席した.いずれの研究集会でもこの分野における一流の研究者たちと議論することができ,たいへん有意義であった.さらに3月にはMcGill大学においてP.Russell教授と共同研究を行った.
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