研究概要 |
1.多項式環上のスライスをもつ互いに可換なlocally nilpotent derivationの族に対して,アファイン空間の埋め込みを構成し,アファイン空間の埋め込みの同値類と多項式環上のスライスをもつ互いに可換なlocally nilpotent derivationの族の同値類とは1対1に対応することを示した.これにより,埋め込み問題,消去問題,線形化問題の関係が明らかとなった. 2.アファイン代数多様体X上にreductiveな代数群Gが作用しているとき, Gの作用と可換な加法群の作用にはどのようなものがあるかについて,特にGが有限群である場合に調べ,結果を得た.これは,多項式環上のG不変なlocally nilpotent derivationについて調べることと同値である.その結果,ある場合のGについて,G作用をもつアファイン代数多様体の加法群による特徴づけが得られた.1の結果とあわせて,今後はG作用をもつアファイン代数多様体のG作用を用いたより一般的な特徴づけについて研究を進めたい. 3.2008年12月にインドのバンガロールでおこなわれたアファイン代数幾何学研究集会で上記2の結果を報告した.この研究集会には,アファイン代数幾何学の専門家が多数参加しており,彼らとの議論情報交換はたいへん有意義であった.また,2008年9月,2009年3月には,国内で開催されているアファイン代数幾何学の研究集会で,上記1,2の結果をそれぞれ発表した.
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