研究課題
ネーター問題の研究では、6次の可移部分群の複比型ネーター問題について、昨年度までに肯定的に解決した可解部分群の場合に続き、非可解部分群の場合に取組んだが、予想以上に困難で結果を得るには至らなかった。また、定数項が±1で各係数が助変数の整係数多項式である単多項式(単数を根とする多項式)の族の構成について部分的な結果を得たが、原著論文として発表するには更に進展が必要である。また、岡山大学の中村博昭氏・京都大学の安田正大氏との共同研究では、古典的な方程式論で重要な4次多項式の3次分解式を現代的な立場から見直し、4次アフィン空間から3次アフィン空間への射(Ferrari射)と見ることで、絶対ガロア群のGrothendieck-Teichmuellerパラメータの関係を得たので、この考えを更に進めて、5次多項式の6次分解式(Cayley-Weberの分解式)について、類似の議論を試みたが、困難な点が多くあることが分かり、今後の課題となっている。連携研究者・研究協力者を中心として進めた部分では、星氏が早稲田大学の三宅克哉氏や京都大学の北山秀隆・山崎愛一両氏との共同研究などにより、生成的多項式の同型問題及び(共通)部分体問題・同型問題に付随するThue方程式族とその整数解・有理関数体への有限群作用による固定体の有理性などに取組み、結果の出版に至った。小松氏は、1の冪根を含まない場合へのKummer理論の拡張を整備し、引続きガロア群が非可換な場合への拡張を試みた。陸名氏は、5次二面体群をガロア群とする多項式族に対するBrumer化の手法を応用して、古典的なKlein等の結果に較べて遥かに簡潔な「根の公式」の明示的な記述に成功し、更にその改良・応用について考察を進めている。本年度は、個々の研究はあったものの、研究グループとしての研究の進展が停滞気味であった。
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