研究概要 |
実施計画に記した目標および関連事項に関して、以下の研究成果が得られた。 (1)代表者の泊は、超曲面3次元単純K3特異点であって、その単純K3特異点が著名な95の重み付きK3曲面の分類より外れるものである「発見されている5種類」について、それぞれの有理特異点に見える非退化完全交差式の複数方程式と見なしたクラスの分類計算を進んだ。これらを一つの方程式になおしたとき(ニュートン境界の意味では5クラスは単一になるが、)高次の展開項の表れ方により分類表の対応物を表すための詳細な情報が、得られた。また、2次元星型例外集合をもつ超曲面特異点について、その中心フィルトレーションから決まる接錐のゴレンスタイン性を、同等特異性と絡めて調べ、泊・渡辺の論文にて未解決な例として挙げたp_a=2特異点について、2重点という少し強い前提のもとに接錐が2重点になる事を証明した。同じグラフをもつ超曲面特異点は3重点になる可能性もあるが、それを排除する予想が、特異点解消過程の不変量の解析より可能性の分類のもと部分的に示された。(後者については、奥間智弘によるグラフから決まるヒルベルト関数の母関数公式を用いた助力が有効性をあらわしており、共同研究へ向けての準備中である。) (2)渡辺は、C.Huneke,高木らと共同研究として、F-thresholdsについて、次数付き環のパラメーターイデアルについてのCohen-Macaulayの仮定を外しての重複度予想の成立を確かめた。また、F-thresholdの定義において, F-pureの仮定が必要だったが,この仮定がかなり弱めることを示した。(渡辺の結果Huneke-Mustatr-Takagiとの共同研究として公表すべく準備中である.)
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