研究概要 |
特異点の代数幾何的不変量を、特異点解消を通じて可換環論的に決定しようという問題意識の下に、A : 特異点の局所環のHilbert-Samuel関数から定まる重複度や埋め込み次元などの不変量 ; B : 特異点の局所コホモロジーに関係する不変量 ; Cohen-Macaulay 性、標準加群の生成元の数(Cohen-Macaulay type)、やGorenstein性 ; C : 局所環の因子類群、そのtorsion元から定まる巡回被覆、さらにその反復によって得られるアーベル被覆 ; D : いわゆる特異点の種数と呼ばれる不変量 ; 幾何種数、多重種数、そして ; E : 2次元特異点の例外集合を表現する重み付き双対グラフと、そのグラフを固定した際に存在しうる全ての局所環の構造の決定、それら全体をモジュライと考えた全体空間、これらを想定し、以下の問題を考えている。 (1)正標数の2次元2重点の分類、特に楕円型特異点(算術種数が1である場合)の幾何学的特徴づけ。 (2)重み付き双対グラフによる特異点の幾何種数の下限の決定。 (3)次数付き特異点のアーベル被覆のPinkham-Demazure表示の決定。更に、これまで扱ってきたfiltered blowing-upが直接登場する問題も継続して探求する。 (4)filtered ringの立場から, 特異点の多重種数の接錐のデータによる評価。
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