研究概要 |
1.平成19年10月11日〜10月16日に,アメリカ・ニューメキシコ州アルバカーキ市で開催されたアメリカ数学会西部支部分科会の「アフィン代数幾何学」分科会において,「G_a-actions and completions」というタイトルで講演を行った.加法群G_aの作用に対応する局所冪零導分δがアフィン整域B上に与えられたとき,その局所環B_pへのδの拡張とB_pの完備化へのδの拡張に関して不変式環を比較し,必ずしも一致しないことと,一致するための必要十分条件を与えた.結果は,G_a-actions and completions,J.Algebra319(2008),2845-2854,に掲載されている. 2.平成19年12月23日〜平成20年1月7日の期間に,インド・ムンバイ市にあるタタ基礎科学研究所を訪問して,同研究所教授のR.V.Gurjar教授と,特異点を持つ正規代数多様体に対する一般化されたジャコビアン予想について共同研究を行った.その結果,複素数体上定義された正規アフィン代数曲面が商特異点でない特異点をもてば,その不分岐自己準同型射は自己同型射になることを示した.結果は論文にまとめて,Jacobian problem for singular surfaces,としてJ.Math.Kyoto Univ.に投稿している. 3.平成20年1月より,研究分担者の増田佳代と,局所冪零導分の有限射に関する引き上げ(lifting)の可能性について共同研究を行った.有限群の作用による不変式環上に与えられた局所冪零導分が,元の環上に引き上げられる可能性に関して新しい知見が得られた.共著論文としてまとめて,学術雑誌に投稿すべく準備中である.
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